脂肪肝とは?

脂肪肝とは〜フォアグラ

 

脂肪肝は肝細胞中に中性脂肪がたまり肝機能が障害を受ける病気ですが、いわば、フォアグラのように肝臓が脂肪で膨れた状態のことをいいます。

 

脂肪肝になる人の増加

 

脂肪肝の人は、肥満の人に多くなっています。30代以上の男性ではBMI 25%以上の肥満は30%にも見られ、この肥満の人の 30%以上が脂肪肝を伴っています。また、女性では50代以降に肥満が増え、同様に脂肪肝も増加します。このように脂肪肝は非常に一般的な疾患となっています。

 

脂肪肝は3人に1人

 

ある統計によると、実際には、脂肪肝になっている人は、成人の3人に1人と言われています。ただ、健康診断を受けている人で見ると、血液検査を受けた国民の25%に肝臓の数値異常が見られるということです。。これは4人に1人が、脂肪肝をはじめとする何らかの肝障害にかかっているということです。

 

なぜこんなにも肝障害をかかえている方が多いのでしょうか。原因として、現代の社会環境が挙げられます。昔に比べて仕事での人間関係や、生活してい く上で溜まるストレスは多くなっています。このストレスを発散するためにアルコールや食べ物を摂取する、といった手段に走る方が多いようです。

 

脂肪肝の分類

 

この脂肪肝の分類は、大きくは、アルコール性、非アルコール性と2つに分かれます。

 

  • アルコール性
  • 非アルコール性

 

さらに、 非アルコール性は以下のように、 NAFLD(非アルコール性脂肪性肝疾患)と呼ばれ、単純性脂肪肝と NASH(非アルコール性脂肪肝炎)の2つに分かれます。そして、NAFLDの人の90%は単純性脂肪肝であり、長期間にわたって、脂肪肝が変化ししません。

 

しかし、残りの10%の人は、肝炎から肝線維症、肝硬変に進行していく非 アルコール性脂肪性肝炎(Non-Alcoholic Steatohepatitis,NASH:ナッシュ)といわれて います。このNASH の定義は 1)アルコールは飲まない、または少量(日本 酒1合、またはビール1本まで)、2)他の慢性の肝臓病の原因が無い(ウイル ス肝炎などが無い)、3)肝祖織検査でアルコール性肝障害に似た組織像を示す、 4)画像検査では脂肪肝、生化学検査ではAST,ALT の上昇がみられることとされています。

 

  • 単純性脂肪肝:予後良好
  • NASH(非アルコール性脂肪肝炎):肝硬変、肝臓癌に進行することあり。

 

脂肪肝の程度、グレ−ド

 

この脂肪肝の程度、グレ−ドですが、肝臓にたまった脂肪の量で判断されます。

 

健康な肝臓でも3〜5%の脂肪を含んでいますが、5%を超えた場合が脂肪肝と診断されます。脂肪が10%を超えると脂肪滴(しぼうてき)といわれ、30%を超えると脂肪肝と言われています。このことは、本来の肝臓の働きが70%になってしまっているということです。

 

脂肪肝になっている組織を顕微鏡で見ると、肝細胞内に球状の脂肪が異常に増えているのがわかります。正常な肝臓の脂質は、約2/3がリン脂質で占められ、主に細胞の膜を構成し、残りの約1/3がコレステロール、中性脂肪、遊離脂肪酸になっていますが、脂肪肝では、中性脂肪が異常に増加して大部分を占め、コレステロールやリン脂質が蓄積することはほとんどありません。

 

 

なお、これまで脂肪肝は,ほとんど進行せず重篤な病態にはならないと考えられていて、臨床的にあまり注目されていませんでした。しかし、特に、非アルコール 性脂肪性肝炎(NASH)では、肝臓に脂肪の蓄積だけでな く、炎症を伴い、慢性の肝障害が進行し、末期には肝硬変や肝癌へと進行することがあることがわかっています。

 

ここで、この非アル コール性脂肪性肝炎の診断は、非飲酒者であること(エタノール換算1日20g以下)、病理組織学的に脂肪性肝炎を認めること、他の肝障害の原因を認めない ことにより診断されます。具体的には、脂肪肝の方が、高齢、高度の肥満、糖尿病との合併、AST(GOT)/ALT(GPT)比が1以上、血小板の数値が低い、ヒアルロン酸の数値が高い(肝臓の線維化が進行している可能性)などの場合に、非アルコール性脂肪性 肝炎が進行している可能性があり、できれば肝臓の組織検査をして肝組織の変化を把握することが必要になります。

 

脂肪肝の防止

 

脂肪肝を防止するには、お酒の飲み過ぎや過食、肥満を防止することが必要になります。

 

お酒の飲み過ぎないことによる脂肪肝の防止

 

お酒を飲むなら、1日に1合までにするようにしましょう。また、週に2日は、休肝日をもうけ、肝臓を休めるようにしましょう。

 

減量や暴飲暴食をしないことによる脂肪肝の防止

 

BMIの数値が25%を超えないように注意しましょう。BMIの値が25%を超えると、約3割の人が脂肪肝になるというデータがあります。そのためには、自身の減量を図ったり、暴飲暴食をしないように努めることが大切です。

 

脂肪肝と寿命

 

糖尿病や肥満で脂肪肝がある人はない人より寿命が短いといわれていますので、十分に注意しましょう。