脂肪肝による症状とは?

脂肪肝の痛み、自覚症状

 

脂肪肝には痛みなどの自覚症状はありません。ただ、脂肪肝になるといわゆる「ドロドロ血」になり血流が悪くなるため、全身の細胞に酸素と栄養分が補給されなくなり、疲れやすい、肩がこる、頭がボーッとするといった症状が出ることもあるのが特徴です。

 

脂肪肝の重症度、ランク

 

また、脂肪肝が重症化していくと、慢性肝炎、肝硬変、肝臓癌へと進行していく可能性があります。

 

軽度の脂肪肝:アルコール性肝炎

 

飲酒が原因となって起こるアルコール性肝炎を「AH(alcoholic hepatitis)」と呼びます。アルコール性肝炎は、アルコールの過剰摂取によって肝臓が炎症を起こしている状態で、肝細胞の急速な腫大(腫れあがって大きくなること)と壊死・肝細胞の線維化による肝機能障害を引き起こし、肝線維症から肝硬変の前段階ともなりうる病気です。脂肪肝になっている方がそれでも大量飲酒を続けると、約10〜20%の方がアルコール性肝炎を引き起こすと言われています。

 

アルコール性肝炎の症状は、多くの場合食欲不振・倦怠感・発熱などが見られます。また、右上腹部の鈍痛や黄疸などもあらわれることがあります。悪化すると腹水(腹腔内に水がたまること)やむくみも出てきます。また、アルコール性肝炎の方に血液検査を行うと白血球・AST・ALT・ALP・γ-GTPの増加、貧血、血小板・アルブミンの減少などが発覚します。他の肝炎にも(B型肝炎など)同じような症状があり、同じような検査結果があらわれますが、飲酒歴がはっきりしており、飲酒をやめることで検査値が改善すればアルコール性肝炎と診断できます

 

中等度の脂肪肝:慢性肝炎

 

臨床的には6ヶ月以上の肝機能検査値 の異常とウイルス感染が持続している病態をい い、組織学的には,門脈域にリンパ球を主体とした細胞浸潤と線維化を認め、肝実質内には種々の程度の肝細胞の変性・壊死が見られる場合と定義されます.。

 

脂肪肝の重症:?重症型アルコール性肝炎、肝硬変、肝臓がん

 

重症型アルコール性肝炎

 

重症型アルコール性肝炎は、肝性脳症,肺炎,急性腎不全,消化管出血などの合併やエンドトキシン血症を伴い、禁酒に関わらず肝腫大が持続します。そして、多くの人がは1カ月以内に死亡となります。この重症アルコール性肝炎では、たとえ禁酒をしても100日以内の生存率が約50%という非常に重い病気です。

 

肝硬変

 

また、肝硬変は、肝臓の高度の線維化になった状態です。黄疸や腹水、肝性脳症などの症状が現れます。これは、肝炎ウイルス、アルコール、自己免疫性肝炎、NASH などが成因と考えられています.肝炎ウイルスのよるものが80%を占め,肝炎ウイルスのなかでは、C型肝炎ウイルスによるものが80%、B型肝炎ウイルスによるものが15%です.

 

アルコール性の場合は、日本酒で約5合を毎日20年以上(女性の場合は12〜13年)飲み続けた場合、アルコール性肝線維症を経て約10〜30%の方が肝硬変に至ります。肝硬変の症状は腹水・黄疸を中心として、ひどくなると吐血をしたり昏睡状態に陥ったりすることもあります。

 

また、もしも肝硬変になると、肝硬変から肝癌になる可能性は50%程度もあると言われています。

 

肝硬変になってしまうと治すのは困難と思われている患者さんもいるかもしれませんが、全く回復の余地がないというわけではありません。ただし、飲酒を続けると悪化の一途をたどるのみなので、この時点まで病気が進行した場合は直ちに断酒する必要があります。

 

脂肪肝の末期:肝臓がん

 

肝臓がんの原因の7割前後は肝炎ウイルス(B型・C型)です。ただし、飲酒が肝硬変を引き起こし、肝硬変が肝がんへ進行するケースも最近は増えているため、肝がんはアルコール性肝障害を患った患者さんが決して無視できない病気です。

 

アルコールそのものが肝がんを引き起こす可能性も否定できません。国立がん研究センターの調査によると、男性では多量飲酒者、女性だと中程度以上の飲酒者に肝がんリスクの上昇が見られるという研究結果も出ており、飲酒と肝がんの関係性が明らかになりました。

 

また、アルコールの代謝物であるアセトアルデヒドは発がん性を持っていると言われています。アセトアルデヒドは危険物取扱法に定められているほど危険な物質です。当然ながらお酒を多く飲む方ほどそれらの物質が多く発生することになります。

 

脂肪肝を放置すると

 

最近までは、アルコール性肝炎にさえならなければ、脂肪肝までは問題がない」という考え方が一般的でしたが、脂肪肝を放置したり、脂肪肝が起きるような食生活をしていると、上記のような肝臓に関わる症状が出てくるばかりではなく、全身に脂肪が溜まることが問題になります。
それも皮下脂肪だけならともかく 内臓にも脂肪がつくとなると、動脈硬化性疾患・高脂血症・高血圧・糖尿病などの頻度を高めてしまいます。

 

脂肪肝は生活習慣病の危険因子となるというわけです。脂肪肝になる前にきちんとした食事・生活習慣を心がけましょう。